5月25日、「NHKから国民を守る党(N国)」党首の立花孝志が、政治団体「ホリエモン新党」を設立すると発表しました。
次の東京都知事選(6月18日告示、7月5日開票)に、候補者を擁立する意向を示しています。
ホリエモン本人=堀江貴文が、「ホリエモン新党」と無関係というのは、本当でしょうか?
また、立花孝志は、「公職選挙法上、堀江貴文は『ホリエモン新党』から立候補できない」と説明していますが、これも本当なのでしょうか?
この記事では、そうした疑問について説明します。
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立花孝志の「ホリエモン新党」:東京改造計画【東京都への緊急提言37項】の実現を公約に
立花孝志は、「ホリエモン新党」の設立について、次のようにツイートしています。
代表者は私立花孝志
目的は、東京改造計画【東京都への緊急提言37項】の実現です。
本日
【ホリエモン新党】
を立党しました。
代表者は私立花孝志
目的は、東京改造計画【東京都への緊急提言37項】の実現です。
明日14時〜東京都庁記者クラブで記者会見を行います。— 【ホリエモン新党】&【NHKから国民を守る党】代表 立花孝志 (@tachibanat) May 25, 2020
ホリエモン新党の届出が
正式に東京都選挙管理委員会事務局に受理されました。 pic.twitter.com/U3sYGCMqM8— 【ホリエモン新党】&【NHKから国民を守る党】代表 立花孝志 (@tachibanat) May 25, 2020
東京改造計画【東京都への緊急提言37項】というのは、正に、堀江貴文が新著『東京改造計画』で訴えているものです。
当然、立花孝志と堀江貴文は繋がっている、と考えるのが普通ですよね。
【東京都への緊急提言】37項目
第1章◎経済
①本当の渋滞ゼロ
②ETCゲートをなくす
③パーソナル・モビリティ・推進都市に
④満員電車は高くする
⑤切符も改札機もなくす
⑥現金使用禁止令
⑦東洋メトロと都営地下鉄を合併・民営化する
⑧Uber解禁
⑨東京の空が空いている
⑩江戸城再建
⑪VRのインフラを整える
⑫足立区は「日本のブルックリン」に生まれ変わる
⑬築地・豊洲市場改革案
⑭築地市場跡地のブランド化
⑮オリンピックはリモート競技に
第2章◎教育・社会保障
⑯オンライン授業推進
⑰紙の教科書廃止
⑱学校解体で子どもの才能を解放する
⑲「正解」を教えない教育
⑳大麻解禁
㉑低用量ピルで女性の働き方改革
㉒健康寿命世界一
㉓「ジジ活」「ババ活」で出会い応援
㉔東京のダイバーシティ
第3章◎新型コロナウイルス対策
㉕ストップ・インフォデミック
㉖経済活動を再開せよ
第4章◎都政
㉗今こそネット選挙を導入せよ
㉘QRコードで投票できる
㉙記者会見なんてオンラインで開けばいい
㉚都職員の9割テレワーク
㉛都職員の英語公用語化
㉜東京都をオール民営化
第5章◎未来の生き方
㉝「妖精さん」のリストラ計画
㉞遊び場を増やす
㉟限りなく生活コストを下げる
㊱人生100年時代のコミュニティ
㊲都民限定の無料オンラインサロン
堀江貴文は「ホリエモン新党」と無関係?
しかし、5月25日、堀江貴文は、「ホリエモン新党」の設立を受けて、次のようにツイート。
「ホリエモン新党」との関係を否定しています。
私が出す東京改造計画は、特定の政党や候補者を支援することを目的とするものではありません。
また、私も特定の政党や候補者とは関係ありません。
また、立花孝志も、「ホリエモン新党」と堀江貴文の関係について、次のとおり説明。
堀江貴文と連絡はしているが、堀江貴文を「ホリエモン新党」から擁立することはない、としています。
東京都知事選には、立花孝志自身が立候補する意向を示しています。
当然、堀江さんに連絡はしている。ご本人が知らないということはない。
(東京都知事選への堀江貴文の擁立については、)100%ない。名前に『ホリエモン』とついている党から堀江さんが出馬することは、公選法に違反する。
堀江貴文が立花孝志の「ホリエモン新党」から立候補できない理由は?:公職選挙法との関係を解説
このように、堀江貴文と立花孝志は、ともに「ホリエモン新党」からの堀江貴文の出馬を否定しています。
では、立花孝志の言う「名前に『ホリエモン』とついている党から堀江さんが出馬することは、公選法に違反する」というのは、どういうことなのでしょうか。
実は、公職選挙法上、国政選挙(衆議院、参議院)については、比例代表選出に関する政党名について、「党代表や候補者の氏名が類推されるような表現」が禁止されています(公堂法86条の6、86条の7)。
例えば、仮に堀江貴文が衆議院の比例代表に、「ホリエモン新党」から立候補することは、はっきりと法律違反になります。
このため、2010年4月に舛添要一が新党改革を立ち上げた際に、「ますぞえ新党」という略称を検討したものの、中央選挙管理委員会に認められないため断念しています。
これに対して、2014年末の「生活の党と山本太郎となかまたち」については、小沢一郎が代表者であり、山本太郎は候補者でもなかったためセーフでした。
ただし、これらの規定は、国政選挙に関するものであり、東京都知事選には直接には適用されません。
このため、堀江貴文が立花孝志の「ホリエモン新党」から東京都知事選に出馬することは、少なくとも法律(公職選挙法)上は可能です。
もし、将来的に国政選挙にも出馬する場合には、政党の名称変更が必要になりますが。
MASAの意見
立花孝志は、公職選挙法のルールはわかったうえであえて発言しているはずですから、まだまだ隠された意図がありそうです。
例えば、
まずは、「ホリエモン新党」の立上げで、「東京改造計画【東京都への緊急提言37項】」の宣伝を狙う。
有権者の興味を引き付けたうえで立花孝志は立候補を辞退して、無所属で出馬する堀江貴文への支持を表明。
とか、どうでしょうか。
うーん、普通すぎてないかな・・・
立花孝志は、常識の斜め上のやり方で、選挙制度の抜け穴をつく(ハックする)のが大得意ですから、これからも、色々とビックリするような作戦を仕掛けてきそうです。
波乱万丈の立花孝志の経歴については、次の記事でまとめています。
堀江貴文も、何らかの形で東京都知事選に出馬してくるでしょうから、立花孝志との関係も含めて、今後とも動向をウォッチしていきます!
記事をご覧いただき、どうもありがとうございました!
<追記(5月26日)>
5月26日、立花孝志は、堀江貴文を「合法的な宣伝活動」で支援することが、「ホリエモン新党」立ち上げの狙いだと明かしました。
さらに、「ホリエモン新党」から堀江貴文を擁立することはなく、立花孝志本人が同党から都知事選に立候補すると改めて表明。
ただし、自身の当選は目指さず、「途中で私に投票しないようYouTubeで呼びかける。立候補はあくまで堀江さんの当選の可能性を上げるため」と語りました。
ここまでは予想通りですね。
ただ、立花孝志は、これだけでは終わらないはずです。今後の展開にも注目です!
<東京都知事選については、次の記事も読まれています>