休業要請を無視して営業を続けるパチンコ店。
近所の行きつけの店舗が休業しているからと、県をまたいでも客が押し掛けて「3密(密集・密閉・密接)」状態になり、感染拡大やクラスター(集団感染)のリスクが高いと、世間からの批判が高まっています。
なぜ、パチンコ屋は、休業要請を無視して営業を続けるのか?
なぜ、多くの客が、そうしたパチンコ屋に行列してしまうのか?
店名公表が逆効果だとするならば、営業を止めさせるために、他にどういう対応があるのか?
この記事では、こうした素朴な疑問について、わかりやすく解説します!
パチンコ屋が、休業要請を無視して営業を続ける理由
事業者・店舗によっては、市内の一等地に広いホールと多くの従業員をかかえ、家賃が月1,000万円を超えることもあります。
1日の売上が1,000万円を超えることもあり、居酒屋などの他の業種とは、比べ物にならない大きなカネが動くわけです。
また、経営が悪化しているパチンコ店も多いと言われます。
若者の趣味の多様化や、出玉をこれまでの2/3に抑制する風営法のルール改正による射幸性の低下を受けて、顧客・売上が減少。
また、今年4月からの受動喫煙の防止対策や2021年1月末の旧ルールの遊技台の撤去期限への対応で、体力のない事業者は淘汰が進むと言われています。
いずれにせよ近い将来の廃業が避けられない中小店が、大手が休業している間に、「廃業前の荒稼ぎ」をしている、という事情もありそうです。
この辺の解説は、東京商工リサーチのレポートがわかりやすいです。
結局、お客が来ている限り、社会からの批判が強くても、営業を止められない店は止められない、ということですね。
多くの客が、パチンコ屋に行列してしまう理由
もっとも、経営が苦しいのは、パチンコ屋に限らず、他の業態でも同じです。
飲食店などであれば、批判が強くなれば足が遠のくので、お店も締めざるを得なくなる面があります。
逆に、パチンコ屋では空いている店に行列ができてしまう。空いている店を探して、他の県まで遠征してします。
なぜこんなことが起きるかというと、パチンコはギャンブルで、依存症があるからです。
例えば、毎日新聞の取材に答えた無職の60代の男性(墨田区在住)。3月以降も、毎日パチンコ店に通っているそうです。
「時間があり余っている。他にすることがないので、暇つぶしに来た」
「いい天気だから、散歩がてらね。これまでは一日中いたけれど、長居はしないようにしているよ。今は2、3時間だけ」
「店は換気しているみたいだし、間隔を空けるよう呼びかけてくれているから、たぶん大丈夫。心配はしていない」
「まだ、開いててくれてありがたい。いつ閉まるか分からないから、今のうちに楽しみたい」
新型コロナウイルスに感染するリスクがあるとわかっていても、自分を抑えられずにパチンコ屋に行ってしまうのは、本人ではコントロールできない依存的な要素が強いです。
いちおう、業界団体である「パチンコチェーンストア協会」や「全日本遊技業事業協同組合」では、傘下のパチンコ屋に対して休業要請の周知を行っています。
これを受けて、マルハンなどの大手パチンコチェーンには休業しているところもありますが、中小の店舗を中心に、こうした「休業の要請」が無視されているわけです。
法律上、より強い措置として、休業の要請・指示に応じない「店名の公表」があります。
大阪府知事の吉村洋文は、府内の11のパチンコ店に対して、文書で休業を要請。これに応じなければ、4月24日(土)の午後にも、店名の公表を行う予定です。
もっとも、店名の公表については、営業しているパチンコ屋を無料で宣伝して客が押し掛ける結果になるだけだ、という冷ややかな声も多く聞かれます。
多くの客が、本人が自覚しているかは別として依存症の要素があるとすると、こうした心配は的中してしまうでしょう。
店名公表は逆効果、警察の介入が必須か!?
新型コロナ特別措置法では、「店名公表」が最も厳しい措置です。
緊急事態であっても、政府が民間企業に対して強制的に営業を止めさせることはできません。
ただでパチンコお店の広告してあげるようなものです。
パチンコ景品買いの店の取り締まりして換金できないようにすれば、パチンコ依存症の方たちは健全娯楽パチンコに失望して、もう来なくなり、開店休業。
大村知事が根性の座ったパチンコ経営者と渡り合えたらみなおします。
彼はたぶん逃げる。 https://t.co/UF1dPVhzjf— 高須克弥 (@katsuyatakasu) April 22, 2020
高須院長の提案は、流石によくわかっています。
パチンコ店は、風営法で、警察が台の許認可権を握っています。景品や換金の規制の運用を強化することもできるでしょう。
こうしたパチンコ店に焦点を当てた警察の介入が行われない限り、全店が休業することはないと考えられます。
パチンコ業界では、政治力が強く、自民党をはじめ多くの政治家が業界をサポートする超党派の議連も形成されています。
もっとも、これだけ世間の批判が強くなると、政治サイドでも、パチンコ店を擁護することは難しいのではないでしょうか。
パチンコ業界への天下りが多いと言われる警察についても、同様です。
この時期にパチンコ業界に甘い顔を見せれば、警察自身が炎上する結果になるでしょう。
MASAの意見
これまで、「野放し」にされてきたパチンコ業界ですが、新型コロナでの休業問題を受けて、一気に社会問題化しました。
一部のパチンコ店の「無法状態」は、許されるものではありません。
店舗・客ともに、自浄作用は期待できません。
警察による毅然とした対応が必要です。我々も、声を上げていきましょう。
新型コロナが「パチンコ業界の『終わりの始まり』だった」ということになるかもしれません。
記事をご覧いただき、どうもありがとうございました!
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