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【新型コロナ】岩田健太郎への批判を真面目に考えてみる!あなたはなぜモヤモヤしているのか。

なぜ岩田健太郎は批判されたのか?

2月18日に公表された、岩田健太郎・医師(神戸大学医学研究科感染症内科教授)のYouTube動画。




動画では、新型コロナウイルスの集団感染が発生し、横浜に停泊中のクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」船内の感染対策が不十分であると告発し、国内外で大きな反響を呼びました。

 

2月20日朝に、岩田氏がYouTube動画を削除した後も、同氏への強い批判が聞かれます。

 

岩田氏の告発動画については、様々な意見が飛び交っていますが、どう考えればいいのかモヤモヤされている方も多いのではないでしょうか。私も、その一人です。

岩田氏への批判は、言い方やトーンの強さは色々ありますが、大きく分けると、次の3つに分けられると思います。

①岩田健太郎の告発の「内容」が「感染症の専門家の観点で」不適切

②岩田健太郎の告発の「内容」が「現場を混乱させるので」不適切

③岩田健太郎の告発の「やり方」(いきなりYouTubeで世界に発信)が不適切

どの批判も、日本という国の特徴や、その中での専門家の活用の仕方を考える際に興味深いな、と思ったので、以下、思ったことをツラツラ書きますね。

真面目か!、という内容ですが、読んで頂けたらうれしいです。

また、前提となる事実関係については、次の記事を前提としていますので、是非、ご覧ください。

<関連記事>

【新型コロナ】岩田健太郎・高山義浩両医師:クルーズ船の告発動画を巡る全文記録。批判する前にこれを読もう!




岩田健太郎への批判を真面目に考えてみる!

①岩田健太郎の告発の「内容」が「感染症の専門家の観点で」不適切

中身としては、この観点が一番大切ですよね。

岩田氏のバリューは、「感染症対策の専門家」である点なので。

もっとも、この点については、実際にクルーズ船内に入っていて、かつ、岩田氏がクルーズ船に入る手伝いをされた高山義浩・医師によるFacebookでの反論(上に載せた関連記事に、全文を掲載しています)に尽きていると思います。

私も含めて、ネット上でワーワー言っている多くの人は、「感染症の専門家」ではないわけなので、「専門家の知見」を尊重すべきです。

もっとも、自分の専門分野ならよくわかることですが、専門家を自称する人でもピンキリなので、「誰が信頼できる専門家なのか」を見極めるのが一番難しいわけですが・・・

ですので、この記事では、この観点については、論評は避けたいと思います(というか、その能力がない)。

ただ、一点、岩田氏がアドバイスを全然聞いてもらえなかった、という点に関する高山氏の反論で、「感染症医はコンサルタントとしての能力が求められます。それは聞いてもらう能力でもあります。私は聞いてもらえなかったとき、相手がダメだとは思いません。自分の説明の仕方が悪かったと思います。」という点は、非常に説得力があると感じました。




②岩田健太郎の告発の「内容」が「現場を混乱させるので」不適切

この観点は、高山氏も指摘していますが、色々な制約がある中でも現場の人たちは頑張っているのだから、彼らを追い詰めるような発言はすべきではない、という批判です。

私が見る限り、こうした批判が一番多く、かつ、多くの人の共感を得ているようです。

日本では、特に「現場の頑張り」が力の源泉として、それを称賛する文化が強いですよね。正に、「プロジェクトX」、「地上の星」です。

個人的にも、こういうストーリーは大好きなことは正直に告白しますが、だからとして、その前提にある「制度(システム)」に問題があるのに、それを批判するのをためらっちゃう、っていうのは、「日本が繰り返してきた過ち」だと思うんです。

有名な『失敗の本質』じゃないですけど、それこそ、戦前から繰り返してきて、そして、改善されない悪い癖ですよね。

「わかっちゃいるけど、変えられない」という「同調圧力」を生む構造でもあります。

「戦略の誤りは戦術では取り返せない」以上、やっぱりどんなに「現場」が頑張っても、「前提となる制度(システム)」が悪ければ、戦い(ウイルスとの戦いも)には勝てません。

だから、私としては、岩田氏が「嫌われる勇気」を発揮して、こうした告発を行ったこと自体は、高く評価されるべきことだと思います。

彼も、「現場」を責めたいんじゃなくて、「制度(システム)」への批判・問題提起を行いたかったはずです。

もっと言い方があるだろとか、自分だけよければいい目立ちたがり屋だとか、色々批判されてますし、実際に普通の感覚からするとKYな人なのかもしれないですが、だからこそ、こうした発言はしっかりと評価されるべきです。

「出る杭」になった岩田氏が、社会に抹殺されるようなことがあってはなりません。

併せて、現場の人たちが追い詰められないよう、「現場」への批判と、「制度(システム)」への批判を、聞き手側もしっかりと区別するのが大事ですよね。

「制度(システム)」への批判と、「個人(人格)」への批判を、しっかり区別する。言うは易く行うは難し、ですが、人々の理性と知性が問われています。

③岩田健太郎の告発の「やり方」(いきなりYouTubeで世界に発信)が不適切

特に政治スタンスが「右側」と言われる人たちから、言うべきことがあるなら、しかるべき手続きを踏むべきで、いきなりYouTubeで公表するなんて、「日本の恥を世界に晒してケシカラン!」という声が聞こえます。

話の中身を聞いている限り、岩田氏は、むしろ日本への愛国心が強い方だと感じました。

話の中でも、「中国の状況は医師の告発で判明した。それ自体、中国の透明化が進んでいることを世界に示した。だから日本でもこうした情報発信が必要だと思った」と仰っています。

政権を徒らに批判すること(批判のための批判)は無意味で、むしろ有害な行為です(この点で、野党の皆さんには、もっとしっかりして頂きたいです)。

しかし、それと同じくらい、「国難だから政権批判は一切ダメ」というのも、不適切です。

正に「是々非々」で、理性的な議論ができる必要があります。感情的な言い合いになっちゃうのが、一番よくないですよね。

さらに、岩田氏が、告発動画を日本語・英語で自分でアップして、日本国内外で、いきなり100万人以上に見られた、というのもすごく現代的です。

まさに、チカラが「国家」や「大企業」から「個人」に移ってきていることを象徴しています。

そして、英語での発信力の違いですね。日本語だけの動画であれば、ここまでの反響はなかったでしょう。

岩田氏の日本外国特派員協会(FCCJ)での記者会見も見ましたが、ノン・ネイティブとして、外国人記者による厳しい英語での質問にもしっかり対応していて、英語でのやり取りのスキルが素晴らしいものでした。

日本政府も、岩田氏への反論も含めて、直接しっかり英語で世界に発信していく必要があると思います。

世界との関係では、日本国内で日本語で「あいつらはわかってない」と言い合っても、何の生産性もない、正に「傷の舐め合い」ですから。

まとめです。

岩田氏のクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」の感染対策を巡る告発動画を巡る議論は、日本の制度(システム)を考えるうえで、非常に興味深い素材だと思います。

また、新型コロナウイルスは、働き方改革で満員電車を変えられるあなど、日本が抱えている多くの問題をあぶりだしています。

社会全体として非常に大きなチャレンジです。

正直、絶望的な気持ちになることも多いです。それでもなお、日本がこれを乗り越えて、より力強いコミュニティになることを、コミュニティの一員としてあきらめずにいたいと思います。

「あきらめたら、そこでゲームセットだよ」ですね。逆に、あきらめなければ、ゲームはまだ続く、ということです。

日本・世界で、新型コロナウイルスの感染拡大が早期に抑えられ、また、感染された方々が一人でも多く早期に回復されるよう、心からお祈りしています。

記事をご覧いただき、どうもありがとうございました!