5月4日、新型コロナウイルスの緊急事態宣言が、当初予定の5月6日から5月31日まで延長されました。
延長後も、「特定警戒都道府県」(北海道、茨城、東京、神奈川、埼玉、千葉、石川、岐阜、愛知、京都、大阪、兵庫、福岡の13都道府県)では、人と人との接触機会の8割減少に向けて、外出や店舗休業の自粛要請が続きます。
これに対して、「特定警戒都道府県」以外の県については、地域の実情に応じて、自粛要請が一部緩和される予定です。
しかし、専門家会議は、自粛要請が緩和された後も、「新しい生活様式」を実践する必要がある、という意見を示しています。
「新しい生活様式」って何?
いつまでも外出や店舗休業の自粛要請が続くと、倒産が続出して、経済的に立ち行かなくなってしまいます。
一方で、一気に元の生活に戻ってしまうと、新型コロナウイルスの感染拡大が再燃して、これまでの自粛の努力が水の泡になってしまうおそれがあります。
このため、感染防止と経済活動のバランスをとるために、「新しい生活様式」を実践する必要があるわけです。
5月4日、専門家会議は、「新しい生活様式」の実践例を示しています。
めちゃめちゃ多くて、細かいです・・・
(1)一人ひとりの基本的感染対策
■日々の暮らしの感染対策
・外出は、マスクを着用する。遊びにいくなら屋内より屋外を選ぶ。
・人との間隔は、できるだけ2m (最低1m)空ける。
・会話をする際は、可能な限り対面を避ける。
・家に帰ったらまず手や顔を洗う。できるだけすぐに着替える、シャワーを浴びる。
・手洗いは30秒程度かけて水と石けんで丁寧に洗う(手指消毒業の使用も可)。
※高齢者や特病のあるような重症化リスクの高い人と会う際には、体調管理をより厳重にする。
■移動に関する感染対策
・感染が流行している地域からの移動、感染が流行している地域への移動は控える。
・帰省や旅行はひかえめに。出張はやむを得ない場合に。
・発症したときのため、誰とどこで会ったかをメモしたり、スマホの移動履歴をオンにする。
・地域の感染状況に注意する。
(2)日常生活を営む上での基本的生活様式
・まめに手洗い・手指消毒
・咳エチケットの徹底
・こまめに換気
・身体的距離の確保
・「3密」の回避(密集、密接、密閉)
・毎朝家族で体温測定、健康チェック。発熱又は風邪の症状がある場合はムリせず自宅で療養
・屋内や会話をするときは、症状がなくてもマスクを着用
(3)日常生活の各場面別の生活様式
■買い物
・通販も利用
・1人または少人数ですいた時間に
・電子決済の利用
・計画をたてて素早く済ます
・サンプルなど展示品への接触は控えめに
・レジに並ぶときは、前後にスペース
■娯楽、スポーツ等
・公園はすいた時問、場所を選ぶ
・筋トレやヨガは自宅で動画を活用
・ジョギングは少人数で
・すれ違うときは距離をとるマナー
・予約制を利用してゆったりと
・狭い部屋での長居は無用
・歌や応援は、十分な距離かオンライン
■公共交通機関の利用
・会話は控えめに
・混んでいる時間帯は避けて
・徒歩や自転車利用も併用する
■食事
・持ち帰りや出前、デリバリーも
・屋外空間で気持ちよく
・大皿は避けて、料理は個々に
・対面ではなく横並びで座ろう
・料理に集中、おしゃべりは控えめに
・お酌、グラスやお猪口の回し飲みは避けて
■冠婚葬祭などの親族行事
・多人数での会食は避けて
・発熱や風邪の症状がある場合は参加しない
(4)働き方の新しいスタイル
・テレワークやローテーション勤務
・時差通動でゆったりと
・オフィスはひろびろと
・会議はオンライン
・名刺交換はオンライン
・対面での打合せは換気とマスク
※業種ごとの感染拡大予防ガイドラインは、関係団体が別途作成予定
「新しい生活様式」はいつまで?
では、この「新しい生活様式」は、いつまで続ける必要があるのでしょうか?
専門家会議では、長丁場の対応を覚悟する必要がある、としていますが、残念ながら、具体的な期限は示していません・・・
専門家の話では、早期診断から重症化予防までの治療法を確立し、ワクチンの開発ができたら、従来の生活に徐々に戻っていける、ということです。
ワクチンの開発には、年単位の時間が必要と言われていますので、どんなに早くても年内、普通に考えれば数年間は「新しい生活様式」続ける必要がある、と予想されます。
出口のない細かすぎる指示に不満・批判が殺到!
このように、「新しい生活様式」の実践例はとても細かく、一方で、いつまで続ければいいのか、という期限は示されていません。
これを受けて、SNSでは、出口のない細か過ぎる指示に対して、不満・批判が殺到しています。
ライブハウスとか結婚式場とか死刑宣告されたも同然ですな苦笑 / 「歌や応援は、十分な距離かオンライン」「名刺交換はオンライン」専門家会議が“新たな生活様式”の実践案を提言 – ABEMA TIMES (BLOGOS – 最新記事)…
「いま」を見つけよう – https://t.co/0b84RIAzyI— 堀江貴文(Takafumi Horie) (@takapon_jp) May 4, 2020
さすがにここまで細かく生活様式に口を出されると、私でさえ抵抗感がある。最低限の気をつけるべきことを示すだけでいいじゃないか。逆に事細かに例示されないと判断できないと思われているのか…。
専門家会議「新しい生活様式」の実践例示す https://t.co/lJrfsg6OBn
— 岩永直子 Naoko Iwanaga (@nonbeepanda) May 4, 2020
「新しい生活様式」が独り歩きして、民間のいわゆる「自粛警察」が圧力を強めるような社会にならないようにしないといけない。場合によれば法的な対抗措置を十分に構築しないといまの社会的風潮はあぶないと思う。
— 田中秀臣 (@hidetomitanaka) May 4, 2020
8割おじさんは「コロナで老人が死なないように全人類が生活様式を永久に変えろ」と言っているわけで、だから彼らの主張を飲むなら花火大会もアイドルコンサートもスポーツ観戦も永久に実施できないんですよ。ここをわかってない(というか直視しようとしない)人が本当に多い。
— きや#GoOut (@kiya__na) May 1, 2020
「新しい生活様式」って、ディストピアの香りがします。これが創作の話ではなく、今日発表された真顔の国策のスローガンであるらしいことを知り’、我に返りました。
国家が提唱する「新しさ」、そして「生活様式」。私は、こういうことばづかいに戦慄する感性を研ぎ澄ませておきたいと考える者です— KAMEI Nobutaka (@jinrui_nikki) May 1, 2020
MASAの意見
専門家としては、感染症をできるだけ抑制することが目的ですから、慎重な「新しい行動様式」を出してくること自体は理解できます。
でも、「新しい行動様式」にちゃんと従おうとすると、スポーツ観戦もライブも結婚式も飲み会も、これまでの楽しみは、何にもできないですよね。
また、国から、生活について、ここまで細かい口出しをされないといけないのか、というイヤな気持ちにもなります。
他人の行動を監視・批判する「自粛警察」の活動ももっとひどくなって、日々の息苦しさが増しそうです。
我々国民としては、早く元の生活に戻るためにがんばって自粛しているわけなので、その先に待っているのが、出口のない細か過ぎる「新しい行動様式」の世界だと思うと、やり切れない気持ちになってしまいますね・・・
記事をご覧いただき、どうもありがとうございました!
<この記事を読んだ人は、次の記事も読んでいます!>