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「緊急事態宣言」全国拡大と「1人10万円現金給付」との関係まとめ!安倍晋三の政治利用・メンツ優先との疑惑を検証!

「緊急事態宣言」の全国拡大

4月16日、政府は、新型コロナウイルス対策の特別措置法に基づく「緊急事態宣言」について、対象区域を、これまでの東京などの7都府県から、全国すべての都道府県に拡大することを決定しました。

実施期間は、これまでの7都府県と変わらず、5月6日までです。

このうち、6道府県(北海道・茨城県・石川県・岐阜県・愛知県・京都府)については、これまでの対象区域である7都府県(東京都・千葉県・埼玉県・神奈川県・大阪府・兵庫県・福岡県)と同程度に感染のまん延が進んでいる、と整理されました。

この計13都道府県については、特に重点的に感染拡大防止の取組みを進めていく必要があるとして、「特定警戒都道府県」と位置づけられています。




他方、これら以外の県については、都市部からの人の移動等によりクラスターが各地で発生し、感染拡大の傾向がみられるとして、地域の流行を抑制し、特にゴールデンウィークにおける人の移動を最小化するため、対象区域を全都道府県に拡大することとされました。

そして、政府では、全国拡大に合わせて「基本的対処方針」を変更し、全国の住民に対して、ゴールデンウィーク中の県外への移動については、法律に基づいて自粛を要請することとしています。

新型コロナウイルスの感染の拡大を防ぐため、すべての都道府県で、人と人との接触の8割削減を目指す考えです。

「1人10万円現金給付」の実施

「緊急事態宣言」を全国に拡大した同じ4月16日、政府は、全国民に対して一律に「1人10万円」の現金給付を行うことを発表しました。

元々、4月7日に決定した「緊急経済対策」では、収入が大きく減少した家庭に対する「1世帯30万円」の現金給付(生活支援臨時給付金)を予定していました。

しかし、この生活支援臨時給付金については、収入減少の基準が複雑で不公平だ、という強い批判を受けたため、これを撤回しています。




ギリギリの調整の中で、首相の安倍晋三は、公明党代表の山口那津男から、収入減少世帯に対する「1世帯30万円」の現金給付を、全国民一律の「1人10万円」の現金給付に差し替えるよう、強い要請を受けました。

公明党は、国会審議で補正予算に反対することまで示唆したとされます。公明党の連立離脱も辞さない、正に政局の1歩手前の攻防だったわけです。

このため、安倍晋三は、閣議決定した補正予算を、国会に提出する前に大幅に差し替える、という極めて異例の対応を迫られ、政治的なダメージを余儀なくされました。

両者の関係まとめ:安倍晋三の政治利用・メンツ優先との疑惑を検証!

4月16日の記者会見で、安倍晋三は、次のとおり話しています。

今回、緊急事態宣言を全国に拡大することによって、全ての国民の皆様に更なる御協力を頂くことになります。

緊急経済対策においては、収入が著しく減少し、厳しい状況にある御家庭に限って、1世帯当たり30万円を給付する措置を予定しておりましたが、この際、これに代わり、更に給付対象を拡大した措置を講ずべきと考えます。

今回の緊急事態宣言により、外出自粛を始め様々な行動が制約されることとなる全国全ての国民の皆様を対象に、一律、1人当たり10万円の給付を行う方向で、与党において再度検討を行っていただくことといたします。

すなわち、「緊急事態宣言」を全国に拡大したことを受けて、「1人10万円」の一律現金急を行うこととした、という理屈です。

しかし、これについては、安倍晋三が、自身のメンツを優先して、「緊急事態宣言」の全国拡大を政治利用した、との疑惑が浮上しています。

政権幹部はこの政策変更について、「宣言を全国に拡大するから一律10万円になった」と説明したが、額面通り受け取る与党議員は少ない。

自民幹部の一人は「公明党に言われたからやりますっていうわけにはいかない」と語り、緊急事態宣言の拡大を一律10万円給付への政策変更の「口実」にしたとみる。

別の党幹部も「宣言の対象は広くした方が良い。その方が補正を組み替える理由になる」と漏らした。

党ベテラン議員は「10万円の給付金にする理由として緊急事態宣言を政治利用している」と言った。

(朝日新聞)




つまり、「緊急事態宣言」の全国拡大が、ドタバタでの後手後手の対応で丸つぶれになった安倍晋三の体面・メンツを守るための言い逃れ・後付けの理屈付けとして政治利用された、というのです。

安倍晋三が、「公明党の言いなりと思われるのはまずい」という側近からの助言を聞き入れた、と言われています。

たしかに、4月7日の7都府県を対象とした「緊急事態宣言」からわずか9日しか経っていない4月16日の時点で、ゴールデンウィークの人の移動の最小化を目的として対象区域を全国に拡大することには、唐突感が強いと言わざるを得ません。

「緊急事態宣言」の対象を、「特定警戒都道府県」とそれ以外とで分ける二重基準の設定も、非常にわかりにくいものになってしまっています。

実際、諮問委員会会長の尾身茂は、これまでの7都府県に6道府県を加えた13都道府県を「特定警戒都道府県」として選定したことについて、「6道府県については、7都府県とまったく同じ基準で選んだ。当初から、専門家の立場では、恣意的に選ぶことはやるべきではないという立場だ」と話しています。

この基準というのは、①累計の感染方向者数、②倍化時間(感染者数が2倍になるまでにかかる時間)、③感染経路がわからない人の割合、の3つの観点で分析を行うものです。

これに対して、対象地域を全国に拡大したことについては、「客観的な基準とは別のファクターを考えてやったということだと思う」と述べています。

いわば、専門的な知見に基づく13の都道府県の選定基準とは異なる観点で、政府が「緊急事態宣言」の全国拡大を行った、ということを暗に認めている、と言えます。

感想です。

こうした政治利用・メンツ優先との疑惑を、官房長官の菅義偉は、次のように否定しています。

そこは全く当たらない。

当初の対象区域の周辺にどんどんと人が出て行ってしまい、(対象区域外の)パチンコ店は他の県の人が圧倒的に多くなってきている。

大型連休を控え、北海道や沖縄から(他県から)『来ないでくれ』との発言も出ており、全国的宣言が必要と4─5日前から議論していた。

しかし、多くの人は、「緊急事態宣言」全国拡大と「1人10万円現金給付」との関係を巡る疑惑を、いかにももっともらしい、と感じるのではないでしょうか。

「緊急事態宣言」の対象になることにより、各地の住民や企業は、大きな負担を負うことになります。

政治利用・メンツ優先で「緊急事態宣言」が押し付けられた、と感じる人が多ければ、宣言の実効性を確保することもできないでしょう。

残念ながら、国民の政権への信頼が失われていっている、と言わざるを得ません。

記事をご覧いただき、どうもありがとうございました!




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