5月4日、首相の安倍晋三は、新型コロナウイルスの緊急事態宣言を、5月6日から5月31日まで延長することを発表しました。
しかし、政府は、どんな基準・条件を充たせば、緊急事態宣言が解除できるのか、または再延長せざるを得なくなるのか、について、具体的に示していません。
これでは、本当に5月31日に緊急事態宣言が解除できるのか、再延長になるんじゃないか、不安になりますよね。
遅ればせながら、国や地方自治体では、再延長や解除の基準・条件を具体化しよう、という動きが出てきています。
この記事では、こうした動きについてまとめます!
緊急事態宣言の再延長や解除の基準・条件が不明!
早くも、5月末まで延長された緊急事態宣言が再延長されるんじゃないか、という予想が出てきています。
これは、再延長もありうるなぁ
緊急事態宣言延長"5月31日まで" 安倍首相が方針固める – LINE NEWS https://t.co/OpB16ZHWl4 #linenews— 堀江貴文(Takafumi Horie) (@takapon_jp) May 3, 2020
今月いっぱいまで緊急事態宣言延長かよ…。
同じ日は二度と戻って来ないし、これで再延長なんていったら、たまったもんじゃないぞ。企業も経済も何もかもが終わりになりかねないぞ。
一人一人の行動によって、緊急事態宣言がまた延びるかもしれないから、行動を今一度見直そう。
— 鉄道愛し隊1号@外出自粛中 (@lovetoqLV290) May 4, 2020
もう日本中で庶民共が揉めまくりだなw
生活出来ないから店の営業を感染対策しながら再開
↑
正論自粛疲れとか言い訳する奴等がいるから、いつまでも感染終息が見えない
↑
正論【結論】
6月も緊急事態宣言再延長やれやれだぜ┐( ̄ヘ ̄)┌#とくダネ
— 貞吉くん (@Ishy1TSF26ZyeZz) May 4, 2020
5月4日の安倍首相の記者会見では、結局、新型コロナウイルスの緊急事態宣言の再延長や解除の基準・条件は示されませんでした。
これでは、結局、雰囲気で5月末までの期限がズルズル再延長されるんじゃないか、人々が不安に感じるのも当然です。
ちょっと待って。「期限再延長や宣言解除の基準」を決めないまま、5月末までの延長決定したの?2週間、何やってたの? 緊急事態宣言するだけして、国民・住民に自粛を迫りながら、その解除基準すら策定せずに、ただ延期? この程度のプロセスすら踏めない人達に、緊急事態任せてていいの? https://t.co/h4oAw7SjSa
— 舩田クラーセンさやか Sayaka Funada-Classen (@sayakafc) May 4, 2020
吉村洋文大阪府知事:「大阪モデル」を公表
こうした皆の不安を正面から取り上げてくれているのが、大阪府知事の吉村洋文です。
緊急事態宣言を延長するなら、こうなれば解除するという出口戦略を示すべきだ。
でないと国民は何を目指したらいいか分からない。未来を描けない。
さすが、国民の求めているものが、よくわかっていますね。
入口より出口の方が難しい。緊急事態宣言を延長するなら、こうなれば解除するという出口戦略を示すべきだ。でないと国民は何を目指したらいいか分からない。未来を描けない。感染者はゼロにならない。ここは専門家でなく政治家の判断だ。出口戦略の大阪モデルを作る。医療崩壊防止を基準にする。 https://t.co/AY8KsMEbNT
— 吉村洋文(大阪府知事) (@hiroyoshimura) May 1, 2020
そして、5月5日示された大阪府の独自の解除の基準・条件が、次の「大阪モデル」です。
①新規感染者のうち経路不明の人数:10人未満(7.29人)
②PCR検査の陽性率:7%未満(4.5%)
③重傷者向け病床の利用率:60%未満(33%)
※ ( )内は、5月4日時点の数値。
この3つの基準・条件の数値目標を7日間連続で達成すれば、自粛要請を段階的に解除する、としています。
5月4日時点では、いずれも数値目標をクリアしているので、希望が出てきますね。
大阪府の出口戦略を策定し、15日までに大阪モデルの基準で自粛解除判断していく=吉村知事https://t.co/Z1vncFGEQE
吉村知事は、緊急事態宣言延長を受けて、5月末まで自粛をお願いしたいが、5月15日に大阪モデルを元に数値を満たしていれば、段階的に自粛解除していきたいと述べました。 pic.twitter.com/AHkYYDRwyE
— ニコニコニュース (@nico_nico_news) May 5, 2020
大阪府は、(後で出てくる)政府の判断基準を踏まえて、5月15日頃に基準・条件を最終決定して、自粛要請の緩和ができるかを判断する方針です。
小池百合子東京都知事:出口戦略の策定へ
東京都知事の小池百合子も、再延長や解除について出口戦略(出口に向けたロードマップ)を作っていく、と説明しています。
経済活動にも配慮して対策を講じます。
まずは都独自の出口戦略に向け、緊急事態措置の緩和や解除の基準となるロードマップを策定してまいります。
正直なところ、スピード感で大阪府に出遅れた感じは否めませんね。
東京の感染者数は群を抜いて多く、感染拡大防止を引き続きお願いしていきますが、都の経済にとっても31日まではまさしく正念場。経済活動にも配慮して対策を講じます。まずは都独自の出口戦略に向け、緊急事態措置の緩和や解除の基準となるロードマップを策定してまいります。https://t.co/CixpbvRyuS
— 小池百合子 (@ecoyuri) May 5, 2020
西村康稔コロナ担当大臣:数値目標の公表を検討
政府では、緊急事態宣言を解除できるかについて、5月14日と21日に判断する予定です。
5月5日のコロナ担当大臣の西村康稔の記者会見では、政府が緊急事態宣言の再延長か解除かを判断する基準・条件として、次の4つを挙げました。
①直近2~3週間の累積患者数
②新規感染者のうち経路不明の人数
③PCR検査を含む医療提供体制
④近隣の都道府県の感染状況
緊急事態宣言の再延長か解除かの判断は、都道府県ごとに行われます。
今後、緊急事態宣言の再延長・解除を判断する際の数値目標を示していくことを検討する、としています。
全国知事会と #緊急事態宣言 の期間延長に伴う意見交換。5月14日21日を目途に専門家にその時点の状況を改めて評価頂く。地域ごとの感染者数、感染経路不明割合、医療提供体制等を分析。急激に新規感染者数が増えれば特定警戒への移行も、一定条件を満たせば緊急事態宣言の対象からの解除もあり得る。 https://t.co/qigpZBsHoS
— 西村やすとし #ステイホーム (@nishy03) May 5, 2020
また、大阪府の「大阪モデル」は、あくまでも大阪府内の休業要請の再延長や解除の基準であって、緊急事態宣言に関する判断は政府の責任だ、と説明しています。
正直、先を越されたので、縄張り争いで意地を張っているようにみえますね・・・
本日大阪府の吉村洋文知事が言及した解除基準は、特措法に基づき各都道府県知事の判断で行った休業要請をどのような基準で解除するかであり、これは知事の裁量の範囲内。一方 #緊急事態宣言の解除 に関する判断基準については、専門家の意見を聞きながら、私の責任の下検討を進めている。全く別の話。 pic.twitter.com/ilOSFh4yc9
— 西村やすとし #ステイホーム (@nishy03) May 5, 2020
MASAの意見
本当は、5月4日の緊急事態宣言の延長に関する安倍首相の記者会見で、具体的な再延長や解除の基準・条件と数値目標をはっきり示すべきだったと思います。
今回の政府の対応も、大阪府の動きに押されて、政府もイヤイヤ再延長や解除の基準・条件の検討を始めた、という感じが伝わってきて、残念です。
数値目標の設定もこれから、というのは信じられない話で、政府内ではちゃんと基準・条件を設定し、日々確認しているはずです(そうでなかったら、絶望しかありません…)。
しかし、基準・条件や数値目標を公表するのを渋っているのは、その数値目標どうりに判断しているのではなく、結局、雰囲気で決めてしまっているから、ではないでしょうか。
専門家の意見は、あくまでも感染症の専門家としての立場なので、最終的には、経済への影響なども含めて、政治が決断する必要があります。
政府には、専門家の意見を都合よく隠れ蓑に使って、政治判断の責任から逃げている、という印象をどうしても受けてしまいます。
この間も、自粛要請で多くの中小企業・個人事業主は本当に苦しい状況に置かれています。
このままズルズルと緊急事態宣言が再延長になると、新型コロナウイルスで医療が崩壊する前に、経済が致命的なダメージを受けてしまうおそれが高いです。
今こそ、政府による、責任を持った政治判断が求められています。
記事をご覧いただき、どうもありがとうございました!
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