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新型コロナウイルスの東京五輪への影響は?
新型コロナウイルスの感染が世界的に拡大
新型コロナウイルスによる肺炎の感染が、世界的に拡大しています。
厚生労働省の発表(2月17日現在)によれば、当初感染が判明した中国では、 感染者数:70,548名、死亡者数:1,770名に至っています。
新型コロナウイルス感染症の現在の状況と厚生労働省の対応について(令和2年2月17日版)
他の国への感染もアジアを中心に広がっており、感染者数は、シンガポールで75名(うち死亡者0名)、香港で57名(うち死亡者1名)となっています。
日本での新型コロナウイルスの発生状況
日本国内の発生状況も、2月17日現在で、国内事例が46名(うち死亡者1名)、中国湖北省武漢市からのチャーター便帰国者事例(水際対策で確認)が13名(うち志望者0名)の、計59名まで拡大しています。
この他、横浜港で検疫中のクルーズ船の感染者が454名となっています。
国内で大規模イベントの開催が相次いで中止に
日本国内での感染拡大を受けて、大規模イベントの開催が相次いで中心になっています。
天皇誕生日の一般参賀の中止
2月17日、宮内庁は、2月23日の天皇誕生日の一般参賀(午前のお出まし、午後の記帳)を、諸般の事情にかんがみ中止する、と発表しました。
今回は、天皇陛下即位後初めての天皇誕生日の一般参賀でしたが、政府が高齢者などに人混みを避けるよう呼びかけていることなどを踏まえて、中止となりました。
NHKの報道によれば、宮内庁は、「天皇陛下が国民から祝賀を受けられる大切な行事なので残念だが、多くの人たちが1か所に集まって接近することなど、一般参賀の特殊な状況を考え、慎重に検討したうえで取りやめることにした」と説明しています。
天皇誕生日の一般参賀が取り止められたのは、1996年に、南米ペルーの日本大使公邸で人質事件が発生した時以来とのことです。

(出所:宮内庁)
東京マラソンの一般ランナー参加の中止
同じ2月17日、東京マラソンを主催する東京マラソン財団は、3月1日に開催する2020年の東京マラソンで、一般ランナーの参加を取り止める、と発表しました。
東京五輪の代表選考に関わる、招待選手など約200人の「エリートランナー」のみで開催されることになります。
東京マラソン2020ランナー受付及び東京マラソンEXPO 2020・前日祭 開催の中止について
東京マラソン財団では、新型コロナウイルスの流行を受けて、参加者へのマスクや除菌作用のあるウエットティッシュの配布、各地点での消毒液の配備など、感染症対策を取る方針を示していました。また、出場資格を持つ中国在住者に対して、参加自粛を呼び掛けていました。
もっとも、感染が拡大している状況を踏まえて、東京マラソンの一般ランナーの参加者は約3万8000人に上り、ランナーや沿道の観客が密集する場所が多く、感染リスクが高くなることを踏まえて、一般ランナーの参加取り止めの判断に至りました。

(出所:東京マラソン財団)
こうした動きを受けて、2020年夏に開催される東京オリンピック(7月24日開会、8月9日閉会)、東京パラリンピック(8月25日開会、9月6日閉会)への影響が、これまでよりも真剣に心配され始めています。
東京五輪の延期や中止はあるのか?
大会組織委員会は中心や延期を検討していない、と強調
もし新型ウイルスの感染拡大が止まらず、東京五輪の延期や中止に至れば、日本経済にとっては大打撃です。日本政府は、こうした事態は是が非でも避けたいところです。
実際、2月13日、東京五輪に向けて国際オリンピック委員会(IOC)と大会組織委員会の事無折衝で、組織委員会の森喜朗会長(元内閣総理大臣)は、新型コロナウイルスへの対応をしっかりと進める方針を改めて示し、「東京大会が中止されるなどと無責任なデマが流されたが、中止や延期は検討していない」と強調しました。
2月15日には、東京都内で、本番を想定して公道を使った聖火リレーのリハーサルが行われました。
新型コロナウイルスの感染拡大の食い止めが必要
しかし、今後、日本国内での感染拡大が続けば、IOCや世界保健機関(WHO)といった国際機関から、東京五輪の延期や中止について意見表明がなされる可能性もあります。
また、個別国の対応として、アメリカや欧州諸国の政府では、既に中国への渡航延期を勧告している例がありますが、日本への渡航について制限が付されるおそれもあります。
また、新型コロナウイルスの感染拡大が止まらなければ、有力選手から東京五輪への参加事態が表明されるおそれもあります。
なにはともあれ、しっかりと日本国内での新型コロナウイルスの感染拡大を食い止めることが大事です。
世界・日本で東京五輪の開催を憂いなくお祝いできるよう、新型コロナウイルスの感染が封じ込められることを、心から期待したいところです。
記事をご覧頂き、どうもありがとうございました!