カジノ汚職疑惑で話題の宮崎政久政務官とは?
秋元司・衆議院議員(元IR担当内閣府副大臣・国土交通副大臣)の逮捕以降、広がりを見せるカジノ(統合型リゾート(IR))の参入を巡る汚職疑惑。
贈賄側の中国企業「500ドットコム」が、「(逮捕された秋元司・衆議院議員以外にも)国会議員5人に100万円前後の現金を渡した」と供述し、東京地検特捜部が任意での事情聴取を行ったとされる5名の国会議員。
- 岩屋毅・衆議院議員(自民党、元防衛相、大分3区)
- 宮崎政久・衆議院議員(自民党、法務大臣政務官、比例九州)
- 中村裕之・衆議院議員(自民党、元文部科学政務官、北海道4区)
- 船橋利実・衆議院議員(自民党、比例北海道)
- 下地幹郎・衆議院議員(日本維新の会、元郵政民営化担当相、比例九州)
このうち、唯一、現在の安倍政権に政務3役(大臣・副大臣・政務官)として参加しているのが、宮崎政久・法務政務官です。

(引用:首相官邸ホームページ)
宮崎政務官は、1989年に明治大学を卒業。
1992年の司法試験合格後の司法修習で那覇地裁に配属になったことを機に沖縄に移住し、弁護士として活動。
2012年の自民党の政権復帰の際に、衆議院議員に初当選し、国政に進出。
2012年、2014年の衆議院選挙では、社民党の照屋寛徳氏に、小選挙区で敗れて比例復活ですね。
2017年の衆議院選挙では、再び小選挙区で敗れ、ギリギリで比例復活もならずに落選。
しかし、2018年、比例九州ブロックで当選していた園田博之の死去を受けて、繰り上げ当選しています。
2019年9月、第4次安倍第2次改造内閣において、法務大臣政務官に就任しています。
今回のカジノ汚職疑惑に対しては、1月3日のツイッターで、「金銭の提供を受けたことは一切ございません。その他不正なことや不適切なことも一切ございません」と強く否定しています。
本日の読売新聞の報道に対し、次のとおりご説明申し上げます。
私は、仲里勝憲氏や紺野昌彦氏、そして500.com社から金銭の提供を受けたことは一切ございません。その他不正なことや不適切なことも一切ございません。秘書を含む事務所関係者についても同様です。— 宮崎政久(みやざきまさひさ) (@Miyazaki_kirin) January 3, 2020
私と仲里氏、紺野氏との関係ですが、金銭の提供があったと報道されている2017年10月当時、仲里氏は、2期目の浦添市議会議員選挙を落選しておりましたが、元市議という形で付き合いがありました。その当時、紺野氏との付き合いは一切ありませんでした。
— 宮崎政久(みやざきまさひさ) (@Miyazaki_kirin) January 3, 2020
私と両氏との間には、私が両氏から個人的に資金の提供を受ける関係はまったくありません。
500.com社とは、仲里氏から紹介を受けて一度お会いしたことがあるだけです。
ご存じのとおり、沖縄県は、2014年にIR誘致に手を上げないことを決めました。その方針は現在でも変わっていません。— 宮崎政久(みやざきまさひさ) (@Miyazaki_kirin) January 3, 2020
また、私は、2017年当時、IRを推進する議員連盟の役員でもなければ、IRを所管する内閣府の大臣・副大臣・政務官でもなく、さらには、IR関連法案を審議する委員会にも所属しておりませんでした。つまり、私は、IR関連法案に関し、何らの権限も関与もありませんでした。
— 宮崎政久(みやざきまさひさ) (@Miyazaki_kirin) January 3, 2020
500.com社側においても、私に金銭を提供する必要性は一切なく、仲里氏が紹介するというので一度会うだけ会ったという程度だと思います。
— 宮崎政久(みやざきまさひさ) (@Miyazaki_kirin) January 3, 2020
仲里氏が私に渡したとする金銭(もちろん私も私の秘書も一切受領していません)は、仲里氏や関係者が500社に対し、あたかも私に資金提供すると言って資金を引き出しその旨報告したり記録をつけたりしつつ、実際には資金提供することなく、どこかにプールするなどしていたのではないかと見ています。
— 宮崎政久(みやざきまさひさ) (@Miyazaki_kirin) January 3, 2020
私は法務大臣政務官の立場もあり、一部報道機関から取材があったことを受け、東京地検に対し、自ら積極的に情報を提供するとともに、私及び秘書を含む私の事務所と何の関係もないことを具体的かつ丁寧にご説明しました。地検の担当者にはご納得いただいたものと理解しています。
衆議院議員 宮﨑政久— 宮崎政久(みやざきまさひさ) (@Miyazaki_kirin) January 3, 2020
週刊文春が指摘する宮崎政務官の疑惑とは?
1月7日掲載の文春オンラインは、贈賄容疑で逮捕された「500ドットコム」の元顧問・紺野昌彦容疑者との関係について、宮崎政務官の説明に虚偽の疑いがあると報じています。
具体的には、
- 宮崎氏が初当選した2012年の衆議院選挙で、紺野容疑者は、選挙コンサルタントとして宮崎氏の選挙を手伝っていたこと、
- 「週刊文春」が政治資金収支報告書を精査したところ、同選挙前に、自民党沖縄県第2選挙区支部(代表は宮崎氏)から紺野容疑者に対して、「ホームページ管理費」として累計30万円の支出も記載されていること、
- 宮崎氏は、元々「弁護士法人那覇綜合」の代表だが、紺野氏が2014年頃に起こした訴訟の代理人弁護士として名を連ねていたこと、
を指摘。
「『当時、付き合いがなかった」との釈明は、より丁寧な説明が求められることになりそうだ。』」、としています。
IR汚職「資金提供業者」と2ショット入手! 宮崎政久法務政務官の説明に疑義
「週刊文春」編集部2020/01/07
週刊文春に対する宮崎政務官の反論は?
これに対して、宮崎政務官は、1月9日、ツイッターで次のように反論。
本日発売された週刊文春に事実でないことが書かれているので、以下ご説明します。
週刊文春が私の初当選(平成24年)の時に紺野氏が選挙ポスターを企画してもらったりしたことを取り上げて、— 宮崎政久(みやざきまさひさ) (@Miyazaki_kirin) January 9, 2020
私の1月3日のSNSでの見解における「紺野氏との付き合いは一切ありませんでした」との「言い分に疑問符が付く」との記事を掲載しました。
しかしながら、週刊文春が引用した「紺野氏との付き合いは一切ありませんでした」との引用部分は意図的に一部を切り取られたものです。— 宮崎政久(みやざきまさひさ) (@Miyazaki_kirin) January 9, 2020
真実は「その当時(平成29年)、紺野氏との付き合いは一切ありませんでした」というのが、私が表明した見解です。
週刊文春は、取材時の「質問依頼書」では、「その当時(平成29年)、紺野氏との付き合いは一切ありませんでした」と正確な引用をしていたにもかかわらず、— 宮崎政久(みやざきまさひさ) (@Miyazaki_kirin) January 9, 2020
本日の記事では「その当時」という言葉を削除しています。
考えるに「その当時」という言葉が週刊文春の編集意図(おそらく、私の表明した見解が事実に反すると記事にしたいと思われます)に合わないことから、意図的に「その当時」という言葉を外したのではないでしょうか。— 宮崎政久(みやざきまさひさ) (@Miyazaki_kirin) January 9, 2020
真偽のほどはわかりませんが、いずれにしても読者に誤った印象を抱かせる記事を掲載しています。私は、このことには強い憤りを感じ、即刻、週刊文春に対して抗議文を送付しました。
— 宮崎政久(みやざきまさひさ) (@Miyazaki_kirin) January 9, 2020
なお、週刊文春の指摘した紺野氏の選挙ポスターの作成については、紺野氏は、かつて与野党問わず複数の議員の選挙ポスター作成に関与していたようであり、そのうちの一顧客として私の事務所もお願いしていたということに過ぎません。
— 宮崎政久(みやざきまさひさ) (@Miyazaki_kirin) January 9, 2020
また私が代表を務める弁護士法人において紺野氏から事件依頼を受けたことがあるが、法人としての受任ゆえ書面には事件の担当の有無に関わらず所属弁護士全員の名義が表示されたのみで、既に国会議員となっていた私が事件を担当することも、紺野氏と連絡を取ることも面会することも一度もなかったこと
— 宮崎政久(みやざきまさひさ) (@Miyazaki_kirin) January 9, 2020
など記事に書かれているような事実関係については、捜査機関からすべて聞かれています。これに対しても、私はきちんと説明し、その結果、中国企業側から金銭の提供を受けた事実は一切ないこと、IRに限らず何も頼まれたこともないことをご 理解いただいたところです。
— 宮崎政久(みやざきまさひさ) (@Miyazaki_kirin) January 9, 2020
ご支援いただいた皆さまには大変なご心配をおかけしましたことを深くお詫び申し上げます。これからもしっかり働いて挽回して参りますので、今後も変わらぬご支援をお願い申し上げます。
令和2年1月9日
衆議院議員 宮崎政久— 宮崎政久(みやざきまさひさ) (@Miyazaki_kirin) January 9, 2020

感想です。
長いですが、あえて全文を引用しました。皆さんは、宮崎政務官の反論について、どう感じられますか?
紙面では「その当時」(注:資金提供があったとされる2017年10月)という言葉が削除されていることが読者に誤った印象を抱かせる、と反論していますが、文春オンラインの方では、「その当時」という言葉はちゃんと残っています。
詳細な事実関係については、現在断定することはできず、捜査の進展を待つ必要があります。
しかし、宮崎政務官は、最初の1月3日の説明の際に、過去に紺野容疑者と接点があったことまで説明せずに、キッパリと関係を否定していました。
このため、「後出し」・「小出し」の説明だな、との印象になってしまったのは、否めないのではないでしょうか。
法務省は、刑事事件の捜査やカジノの運営で、重要な役割を果たす省庁です。
そのナンバー3である法務大臣政務官を務めている方ですので、より丁寧に説明責任を果たしていかれることを期待したいです。
カジノ汚職疑惑で話題の宮崎政久政務官!琉球新報が追及する疑惑とは?(その1)
カジノ汚職疑惑で話題の宮崎政久政務官!琉球新報が追及する疑惑とは?(その2)